このは総合治療院

首と左腕の痛さを解消するため、治療院に通うことを決意した。

会社が終わってから、通えそうな所、ネットでの評判が良さそうな所を探して、

円山公園駅近くの、"このは総合治療院"に予約を入れ、9日に行ってきた。

ベッドは7、8台くらいあって、皆30歳そこそこの男性が施術している。

夕方6時でベッドはほぼ埋まっており、繁盛している様子。

客の出入りの際には皆で声を掛け合い、

施術も客と談笑しながらという雰囲気で明るい印象をうける。

まずは、土台となる部分を修正することが治療の近道であること、部分的な施術もできるが、しっかり改善するには暫く時間がかかるということを説明される。

方眼メモリの描かれた壁に立ち、後ろから横からと写真を撮られる。

右肩が下がっていることが一目瞭然である。

また、骨盤も前に20度傾いているらしい。

私の首辺りを触りながら、「この硬さはすごいですね」という。

私は少々強く押されるくらいでは全く感じない身体であるから、彼も「大丈夫ですか」と聞きながら、力を込めていくようだ。

特に私が、これは良さそうだなと感じたのは、ベッドの角にマットなどで高さを出したところにうつ伏せになり、背骨の左右を上から力を加えて押してくれるという施術だ。

最初は堅かった背中が段々緩んで、身体がマットにペタリとつく。

彼は汗だくになりながら、途中「大丈夫ですか」と声を掛けてくれるのだが、

これこそまさに私が求めていた施術だと思った。

これはなんだか良くなりそうな気がすると、言ったら「良くなりますよ。今が酷すぎますから」という。

そんなこんなで約2時間の施術が終わったところで、今後必要な治療費の話になるわけである。

本来であれば、7,700円である施術は初回に限り4,620円としていること、ある程度改善するためには、これを週2~3回、3~4か月継続しなければならないこと、その費用を軽減するためには回数券を購入したほうが得であることを説明される。

回数券は、8~13万円くらいまでの4種類ある。

もちろん、部分治療だけの3,300円のコースもあるからどれを選ぶかは本人の自由であるが、継続することをお勧めする、というわけである。

当然継続したほうがいいのは理解しているが、懐具合もあるので、考えさせてほしいと私は答えた。

そして帰ってから、熟慮に熟慮を重ね、回数券13万5千円を購入しようと決意した。

最初に彼が言っていた「土台となる部分を修正することが治療の近道である」という言葉が、頭の中を反芻していた。

確かにその通りだ。私の身体は土台から修正しない限り、これからも同じ故障を繰り返し、その都度辛く痛い思いをすることになるだろう。

この種の治療を本気でやれば、金がかかることが分かっていたので、毎度おざなりな

末端治療ばかりでごまかしてきたわけである。

ここらで、自分の肉体に金をかけてやらなければ、私自身が報われないというものである。

正に、決めるのは自分だったのだなと、今初めてそう思うに至った。

そう思わせてくれたのは、汗だくで懸命に施術してくれた彼であった。

そして、そう決意できた今の自分の懐具合に感謝している。

この肉体に再び生きる希望を与えてあげられたら、これほ嬉しいことはない。